キミちゃんの物語(6)
キミちゃんが恋におちた。
5歳年上のやっしぃー。ビジネスをしてる彼は、毎日忙しくしてたけど、キミちゃんの働くスナック(hostess bar)には毎晩のように来てくれた。また、接待にもよく使ってくれたので、彼の仕事仲間もよく知ってたキミちゃん。店(hostess bar)にいけないときは、必ずきみちゃんに電話をしてくる彼。彼はキミちゃんのことが好きだと、私は気づいてた。そして、キミちゃんも彼のことが好きになってた。
店のお客さんとして、店の従業員としての2人の関係が1年ぐらい続いた後、2人はプライベートでも会うようになっていった。互いの気持ちは確認しなくても分かってた。
そんな関係が2年ぐらい続いた頃、ママ(owner)からやっしぃーが結婚することを聞かされた。何も知らなかったキミちゃん。平気な顔をして話を聞くのが精一杯だった。
やっしぃーが親の会社を突然引き継ぐことになって、大きく事情が変わったことから結婚をすることになったと聞かされた。そして、その結婚の相手は、前から交際していた女性であったことも聞かされたキミちゃんは「それだけは聞きたくなかった」と、私に話した。
キミちゃんが仕事が終わって帰った頃、彼が店に来て、そのことをママに相談してたことも分かった。彼はとても悩んでたらしい。
キミちゃん、カズと別れてからずっと男運が悪い。でも、やっしぃーとは絶対にうまくいくと思ってた。だから、私もショックだった。そして、キミちゃんが言った。「やっしぃーは、カズとは違う意味で良かった。比べることもなかった。やっしぃーから学ぶこともたくさんあった。やっしぃーが彼女がいて、その彼女と結婚するってことがびっくりだよ。彼女がいたんだ。」と、初めて涙を流した。
それから、数ヶ月して店を辞めたキミちゃん。やっしぃーともお別れをした。